2016年08月04日
何人かの視線を感
教室の中に足を踏み入れた途端、自分の席の隣を確認したみたい。けれど、目的の席にはだれもいないものだから、すこし落胆した様子で、すごすごと自分の席に座った。
あたしたちはそ知らぬ顔でそれぞれの席につき、前を向く。あたしは机DR REBORN黑店の下でスマホを取り出し、結奈に松岡くん到着をしらせるメールを送った。
それからきっかり三分後だった。結奈が教室に現れた。
教室の中の何人かの男子が期待をこめた眼で結奈を見つめていたけど、結奈がまっすぐに自分の席へ向かったので、失望のため息をついている。
そういえば、あたしが教室に来たときも、何人かの視線を感じたけど、あたしがさっさと自分の席についてもだれもため息なんてもらさなかった。それって、どういうこと?
いまひとつ釈然としない気分で、近くを通りすぎていく結奈に頑張れと声に出さずエールをおくる。
結奈は自分の席にカバンを置くと、中から綺麗にラッピングした箱を取り出した。建国記念日にあたしの家で結奈が仕上げた手作りチョコだ。
それを胸の前に抱くと、松岡くんの席の前へ回りこんだ。
あたし、前田、広瀬くん。それに、そのとき教室にいた生徒たちの半数がその様子を眼で追っていた。
「は、はいっ!」
ふたりともガチガチ。眼が合った途端、真っ赤になって、視線を逸中一數學練習らしあう。そして、二人して黙り込む。
見ているあたしたちの方が緊張してしまう。だれもが息を止めて見入ってしまう。
だけど、そのとき前田が、
「ああ、戸井さん、さっきチョコありがとうね」
そう言って、結奈に親指を立ててみせる。
「えっ? あ、う、うん」
結奈は頬をひきつらせながらも笑い返してくる。すかさず、広瀬くんも、
「戸井さん、俺も、ありがとうな。あとで美味しくいただくよ」
「あ、うん。そうして」
前田、広瀬くんに笑いかけたので、すこし力が抜けたのか、結奈はさっきよりも格段に自然な笑顔で松岡くんを見据える。それから、ようやく、腕の中のチョコの箱を突き出す歐亞美創集團のだった。
「松岡くん、これあげる!」
「お、おう! ありがとう!」
そうして、ふたりしてデレデレの笑顔で見詰め合っていた。
あたしたちはそ知らぬ顔でそれぞれの席につき、前を向く。あたしは机DR REBORN黑店の下でスマホを取り出し、結奈に松岡くん到着をしらせるメールを送った。
それからきっかり三分後だった。結奈が教室に現れた。
教室の中の何人かの男子が期待をこめた眼で結奈を見つめていたけど、結奈がまっすぐに自分の席へ向かったので、失望のため息をついている。
そういえば、あたしが教室に来たときも、何人かの視線を感じたけど、あたしがさっさと自分の席についてもだれもため息なんてもらさなかった。それって、どういうこと?
いまひとつ釈然としない気分で、近くを通りすぎていく結奈に頑張れと声に出さずエールをおくる。
結奈は自分の席にカバンを置くと、中から綺麗にラッピングした箱を取り出した。建国記念日にあたしの家で結奈が仕上げた手作りチョコだ。
それを胸の前に抱くと、松岡くんの席の前へ回りこんだ。
あたし、前田、広瀬くん。それに、そのとき教室にいた生徒たちの半数がその様子を眼で追っていた。
「は、はいっ!」
ふたりともガチガチ。眼が合った途端、真っ赤になって、視線を逸中一數學練習らしあう。そして、二人して黙り込む。
見ているあたしたちの方が緊張してしまう。だれもが息を止めて見入ってしまう。
だけど、そのとき前田が、
「ああ、戸井さん、さっきチョコありがとうね」
そう言って、結奈に親指を立ててみせる。
「えっ? あ、う、うん」
結奈は頬をひきつらせながらも笑い返してくる。すかさず、広瀬くんも、
「戸井さん、俺も、ありがとうな。あとで美味しくいただくよ」
「あ、うん。そうして」
前田、広瀬くんに笑いかけたので、すこし力が抜けたのか、結奈はさっきよりも格段に自然な笑顔で松岡くんを見据える。それから、ようやく、腕の中のチョコの箱を突き出す歐亞美創集團のだった。
「松岡くん、これあげる!」
「お、おう! ありがとう!」
そうして、ふたりしてデレデレの笑顔で見詰め合っていた。
Posted by 愛とエッジ at 18:36│Comments(0)